
就学目的の滞在許可証をお持ちの場合、週20時間、年間1040時間までの労働が認められています。イタリアでフルタイムで働くことをご希望の場合には、就学目的の滞在許可証から就労目的の滞在許可証への切り替え手続きを行う必要があります。
【重要なお知らせ】
今年の5月に就学目的の滞在許可証から就労目的の滞在許可証への切り替え手続きが変更され、これらの手続きのすべてがDecreto Flussi枠外で行えるようになりました。
就学目的の滞在許可証から就労目的の滞在許可証への切り替え手続きのタイミングについて
Cutro法令の導入により就学目的の滞在許可証から就労目的の滞在許可証への切り替え手続きが変更しました。以前までは、この手続きはイタリアの大学または大学院を卒業している場合のみにDecreto Flussi枠外で切り替え手続きを行えることができ、イタリアの大学・大学院を卒業していない場合にはDecreto Flussiを通して手続きを行う必要がありました。しかし、2023年5月以降からは、全ての就学目的の滞在許可証から就労目的の滞在許可証への切り替え手続きがDecreto Flussi枠外で行えることとなりました。したがって、イタリアの語学学校などへ参加されている方でも就労目的の滞在許可証をいつでも申請できることが可能となりました。
改正により、基本的にはいつでも切り替え手続きを行えますが、重要な点は保有している就学目的の滞在許可証の有効言いう期限内に必ず切り替え手続きを行うことです。「滞在許可証の有効期限以降に手続きを行える」という判例もありますが、この場合にはケースバイケースで審査され、手続きが複雑化する可能性があり、手続きが受理されない可能性があります。
なお、就学目的の滞在許可証から就労目的の滞在許可証への切り替え手続きは受講されているコースを終える前に行うことも可能です。
就学目的の滞在許可証から就労目的の滞在許可証への切り替えの要件と手続きについて
まず、就学目的の滞在許可証は被雇用者(lavoro subordinato)または自営業者(lavoro autonomo)のどちらかの労働許可証へと変更できます。
- 被雇用者の労働許可証の場合には週20時間を超える内定通知を貰っていること。
- 自営業者の労働許可証の場合には今後のビジネス活動に関する書類の提出と最低8500ユーロ以上の資金を証明すること。
主な要件
手続きに必要となる要件・書類などは各地域により異なるケースがあります。しかし、殆どのケースでは以下が求められると言えます。
- SPIDを保有していること。
- Residenza登録(住民登録)をしていること。
- 有効な就学目的の滞在許可証を有すること。
- 住居適正証明を取得していること。
- 被雇用者の労働許可証の場合には週20時間を超える内定通知を貰っていること。自営業者の労働許可証の場合には今後のビジネス活動に関する書類の提出と最低8500ユーロ以上の資金を証明すること。
- 申請フォーム:申請フォームは主に4通あり、各ケースに合ったものを記入し提出します。
- model VA (被雇用者用)
- model Z (自営業者用)
- model V2 (被雇用者用:イタリアの大学(または大学院)を卒業している場合、または、イタリアで18歳になった場合)
- model Z2 (自営業者用:イタリアの大学(または大学院)を卒業している場合、または、イタリアで18歳になった場合)
手続きの主な流れ
- SPIDを使用し、許可の申請をオンラインで行います。
- 移民局が各ケースを審査し、要件が全て揃っているようであれば、県庁にてのアポイントメントの日程が指定されます。
- アポイントメント当日には、オンライン申請の際に使用した書類の原本を提出します。また、被雇用者用の場合には、滞在契約書の手続きも行います。
- 県庁にて発行される書類の入手後に郵便局にて滞在契約書の切り替え手続きを提出します。
雇用先または自営業者としての活動がない場合でも切り替え手続きを行えるのか?
イタリアの大学または大学院を卒業している場合には、労働許可証へと切り替えずにPermesso di soggiorno per ricerca lavoro o imprenditorialita‘ degli studentiという滞在許可証を取得することで、「求職活動」が1年間行えます。なお、この滞在許可証を取得するにはイタリアのハローワークに登録する必要があります。